『思考をアップデートする全技術』要約|将来にモヤモヤする30代へ

このままでいいのかな、と思う夜があります。でも、何を変えればいいのかは、よくわからないんですよね。
30代になると、仕事にも慣れて、毎日はそれなりに回っていきます。その一方で、ふとした瞬間に「この先、ずっとこのままなのだろうか」という不安がよぎる。同期の昇進や、SNSで見かける誰かの活躍に、心がざわつくこともあるかもしれません。
そんなモヤモヤを抱えている方に紹介したいのが、澤円さんの『思考をアップデートする全技術』です。
この本は、「もっとスキルを身につけよう」「もっと努力しよう」とは言いません。まず変えるべきは、物事の見方や考え方、つまり「思考」だと語りかけてきます。
この記事では、本書の要点を3つに絞り、30代の会社員の毎日に置き換えて紹介します。それぞれに「今日からできる小さな一歩」も添えたので、できそうなものから試してみてください。
この本を一言でいうと
「当たり前」を疑い、自分の未来を自分でつくるための考え方の本です。
著者の澤円さんは、日本マイクロソフトの業務執行役員を務めたあと、株式会社圓窓の代表として、企業や学生に向けた講演やメンタリングを行っている方です。本書では、時間の使い方、ルールや慣例との付き合い方、自分自身の育て方などについて、考え方をアップデートするヒントが語られています。
こんな人におすすめ
- 将来に漠然とした不安があるけれど、何を変えればいいかわからない人
- 会社の中で、つい周りと比べて落ち込んでしまう人
- 職場の「なんとなくのルール」に、息苦しさを感じている人
- 副業や新しいことに興味はあるが、一歩が踏み出せない人
こんな人には合わないかもしれません
- 具体的なスキルの身につけ方や、仕事術のノウハウを求めている人
- 今の環境に満足していて、大きく変えるつもりはない人
要点1:時間は「命そのもの」と考える
本書がまず問いかけるのは、時間に対する感覚です。
わたしたちの持ち時間は、毎日確実に減っていきます。当たり前のことですが、ふだんの生活でそれを意識することは、ほとんどありません。著者は、今抱えている問題の多くは「時間をムダにしていること」や「ムダな時間に慣れてしまっていること」から生まれている、と指摘します。
時間が限りある大切なものだと本当に腹落ちすれば、自分の時間の使い方が変わり、他の人の時間を奪うこともなくなる。そこから未来が明るくなっていく、というのが本書の考え方です。
そのために大切なのが、「自分にとって苦痛な時間を、意識して減らすこと」。本書では、家事代行などのサービスを使って、快適な時間をお金で買うことも選択肢のひとつとして挙げられています。
30代は、仕事でも家庭でも「やるべきこと」が一気に増える時期です。気づけば、なんとなく続けている会議や、惰性で見ているスマホ、気が進まない付き合いに、少なくない時間を使っていないでしょうか。

時間を「命」と言い換えると、なんとなく過ごした1時間の重みが、少し変わって見えてきます。
今日からできる小さな一歩
今週の予定を見返して、「本当はやらなくてもいい時間」を1つだけ見つけてみましょう。やめるのが難しければ、短くする方法を考えるだけでも十分です。
要点2:「正解探し」と「同調圧力」から距離を置く
2つ目の要点は、職場の空気やルールとの付き合い方です。
仕事の現場には、理由のわからない慣例や、「前からこうだから」で続いているルールがたくさんあります。著者は、そうした慣例や過去の価値観が生む同調圧力には価値がない、とはっきり書いています。できれば声を上げる。それが難しければ、その場から離れるのもひとつの選択肢。他人を変えるのは、とても難しいからです。
では、なぜわたしたちは同調圧力に流されてしまうのか。本書の答えはシンプルで、「どこかに正解があるはずだ」と教えられて育ってきたからだといいます。正解があると思うから、正解を知っていそうな人の意見に従ってしまう。
けれど、正解を探している限り、新しいものは生まれません。だからこそ、失敗を許し、何度でも挑戦し直せる空気が必要なのだと、本書は語ります。
30代になると、後輩もでき、「ちゃんとしなければ」「失敗してはいけない」という気持ちが強くなりがちです。でも、周りの正解に合わせ続けた先に、自分が本当に望む未来があるとは限りません。

「正解を探さなくていい」と言われると、少し肩の力が抜けますね。
今日からできる小さな一歩
職場で「これ、本当に必要かな」と感じることを1つ、メモに書き出してみましょう。すぐに声を上げなくても大丈夫です。まずは「当たり前」に気づくことが、アップデートの第一歩になります。
要点3:好きなことは「いつ」を決めて、やめずに続ける
3つ目は、自分自身の育て方についてです。
本書は、自己投資でいちばん強いのは「やめないこと」だと言います。好きなことや得意なことを手放すと、自分らしさや強みが少しずつ失われていくからです。
とはいえ、続けるのは難しいものです。著者は、続かない原因の多くは「実はそれほど好きではない」ことにあると指摘したうえで、もう1つのコツを教えてくれます。それが、「いつか役に立つ」ではなく、「いつ」を自分で決めること。
たとえば「来年、英語で一人旅をする」と決めれば、英会話の勉強、旅費の貯金、休みの調整と、やるべきことが逆算で見えてきます。厳密なゴールでなくていいので、目指す方向に「このころにはこうなっていたい」という目印を置く。それが行動につながっていきます。
もう1つ、30代の方に響きそうなのが「複業」の考え方です。本書でいう複業は、本業のおまけの副業ではなく、どれも本気で取り組む複数の仕事のこと。同じ会社、同じ入社年次という「共通の物差し」が1つしかないから、人は比べて落ち込んでしまう。会社の外にも自分の居場所や価値を持てば、他人と比べて心が揺れることが減っていく、というのです。
同期と比べてしまうのは、意志が弱いからではなく、物差しが1つしかないからかもしれない。そう考えると、少し気持ちが楽になりませんか。

会社の外にも、自分の居場所を少しずつつくっていけたらいいですよね。
今日からできる小さな一歩
好きなことを1つ選んで、「〇月までに〇〇する」という目印を1つだけ決めてみましょう。手帳やスマホのカレンダーに書いておくと、忘れにくくなります。
読んで実際に試したこと
書き方のヒント
- 試したこと:3つの「小さな一歩」のうち、実際にやったもの
- 見つけたムダな時間:要点1を試して、どんな時間に気づいたか
- このブログとのつながり:会社の外で始めたこのブログが、あなたにとっての「複業」の一歩なら、そのことを書くと説得力が大きく増します
- 続かなかったこと:うまくいかなかったことも正直に
- 変わったこと:気持ちや行動の小さな変化
書き出しの例
この本を読んで、まず〇〇を試してみました。わたしの場合、〇〇に毎週〇時間ほど使っていたことに気づきました。

考え方が少し変わるだけで、同じ毎日でも見え方が変わってくる気がします。
正直に感じたこと
本書は、マイクロソフトで役員を務め、今は独立して活躍する著者の視点で書かれています。そのため、「声を上げる」「その場を離れる」「複業を持つ」といった提案は、立場や家庭の事情によっては、すぐには実行しにくいと感じる方もいるかもしれません。
それでも、本書が伝えているのは「今すぐ会社を辞めよう」ということではなく、「当たり前を疑う目を持とう」ということだと、わたしは受け取りました。行動を一気に変えなくても、ものの見方を少し変えるだけなら、今日から始められます。
まとめ:まずは「当たり前」を1つ疑ってみる
『思考をアップデートする全技術』から学んだことを、もう一度まとめます。
- 時間は「命そのもの」。ムダな時間と苦痛な時間を、意識して減らす
- 正解探しをやめ、同調圧力から距離を置く
- 好きなことは「いつ」を決めて続け、会社の外にも物差しを持つ
将来へのモヤモヤは、あなたの努力が足りないから生まれるのではないと思います。今の考え方のままでは、少し窮屈になってきたというサインなのかもしれません。
まずは今週、身の回りの「当たり前」を1つだけ疑ってみてください。そこから、あなたの未来のアップデートが始まります。

大きく変わらなくて大丈夫です。少しずつ、いっしょにアップデートしていきましょう。
本書では、この記事で紹介した3つのテーマのほかに、コミュニケーションやマネジメントのアップデートについても語られています。部下や後輩との関わり方に悩んでいる方は、ぜひ本書で読んでみてください。
